第10章 dreaminess■
数秒の沈黙の後、硝子が低い声を出した。
「あっそう。じゃーなんでさっき夏油にLINEしたんだよ」
「だって深夜徘徊は俺らの定番だから」
「はぁ?あんたここ来てまでそんな事しようとしてんの?」
「うん。そこらへんぷらぷらできる機会なんてそうないだろ?」
ニッと見せる白い歯を見ながら、硝子はため息を吐く。
「はっ。わけわからん。つーか、それこそ2人の邪魔してんじゃん」
「いやあの調子じゃレイは寝てるかなって。それに俺は暇さえあれば傑と一緒に遊んでたいんだよ〜ん」
五条はまたスマホを弄りだし、写メをスクロールしながらくすくす笑っている。
そんな五条に呆れたような表情になりながら硝子はつぶやくように言った。
「あんたってさ、レイと夏油のどっちが好きなのよ」
ピタリと指が止まり、五条が横を向く。
思いのほか真剣な顔をしている硝子に噴き出しながら答えた。
「どっちもだよ。どっちも同じくらい大好きで、同じくらい大切だ」