第2章 call■
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新幹線の中、レイと夏油が隣同士に座り、向かい側に五条と硝子が座っている。
歌姫と冥冥には悪いが、今の4人は明らかに浮かれていた。
2級術師と1級術師だし、しっかり者のあの二人なら大丈夫だろうと思っているというのもあるし、単純に4人揃って遠出するこの状況は新鮮すぎる。
弁当を食べ終わり、少しばかり眠気が襲ってきてはいるが、なんだか眠ってしまっては勿体ない。
目の前で五条はさっきから、あーでもないこーでもないとずっと喋っている。
「五条くん、呼吸してる?」
レイの呆れたような問に、五条は白い歯を見せながら言った。
「しなくちゃダメ?
ってか、なんか甘いもん食いたくね?」
甘党の五条は突然立ち上がり、キョロキョロしだした。
「…もう、少しは落ち着きなさいよあんた」
「っあ!すいませーん!こっちこっち!」
硝子の声を無視してワゴンを推す乗務員を呼び止め、チョコレート菓子やクッキーなどを大量に買うという、まるで子供のようなその姿が親子みたいに見えてしまいレイは笑った。
楽しい。
そう純粋に思える。
しかも隣には大好きな人がいるのだ。
ふと横目で見ると目が合い、そして彼も優しい笑みを零していた。