第2章 call■
ガチャ
突然入ってきた夜蛾の姿に、何事も無かったかのように急いで席に着く4人。
夜蛾は流れるように視線を走らせてそれを確認したあと、資料を取り出して口を開いた。
「新しい任務が決まった。今回は単独任務じゃない。4人全員でやってきてもらう。場所は浜松だから泊まりがけになる可能性が高い」
「え、ま、まじ?」
「大まじだ。」
大まじなんて言葉が夜蛾から出るとは思わず少し噴き出しそうになるが、4人全員が招集されるなんてなかなかに大変な任務なのかもしれないと、皆の表情が変わっていく。
「実はな、歌姫と冥冥に行かせた任務なんだが、連絡が途絶えた。まぁ2人のことだから正直言って命の心配は無用だとは思うが、呪霊によってどこか特殊な空間に閉じ込められている可能性もあるし…もしくは、」
「なるほどなるほど!2人を助けて、んでそのあとは浜松観光してもいいと!」
五条が夜蛾の言葉を遮るのはいつものことだから誰も何も言わない。
それに、せっかく遠出するなら観光したいというのは誰もが今考えている事だった。