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walking proud~呪術廻戦~R18~

第8章 unexpected


"心に余裕がある時に空を見上げるんじゃないよ?空を見るから心に余裕ができるんだよ。"

"空を見上げるとさー、全ては繋がってるって実感できるんだよね。空は何があってもどこへ行っても一緒にいてくれる。いつだって味方になってくれる"



「おいらもうわかってる。レイが涙を流して感情炸裂するときは、多分ひとつしかない。」


「だな…俺もわかってる。」


「そしたらお前は空になってやれよ。万が一の話だが。」


「もう空のつもりだよ」


「まだまだだね。レイは本当に上を見てない。
見てるふりして見てねーんだ。」


沈黙が流れる。
画面には、まだクマの勝利画面が映っている。


「なぁ、プー野郎。お前はその時、何してんだろな」

「さぁな。お前こそ何してんだろなグラサン野郎」

「お前とまた喧嘩してる」

「そしたらおいらがまた勝ってる」


くくくっと同時に肩を震わせて笑う。


「1つ約束してくれクマ。」

突然真剣になる五条に、クマは口を閉ざす。

「レイに悲し涙だけは流させない努力をするって。」

「あ?お前さっきと言ってること違くねーか」

「違くない。俺は悲し涙を見たいわけじゃない」


悔し涙、嬉し涙、感激の涙…複雑なやつ
いろいろあんだろ。


つまりレイを悲しませることのないように、精一杯努力をしていこうということ…



互いの目が細まり、ジッと見つめ合う。
奥に見えるなにかを懸命に探ろうとするかのように。


「貸し1な。」

そう言って差し伸べてきたクマの手を握る。

「おう。」

固い握手のはずが、全く固くない。

「おまっ!肉球やっば!やわらけー!
もっと触らせろ!」

「んなっ?!この変態野郎!セクハラ!
傑に言いつけるからな!」

「マジそれだけは勘弁!ははっ!」

結局ホールドされたクマは五条の満足いくまで肉球をふにふにされていた。

「はぁ…人間は約束が好きだな…」

その小さなつぶやきは五条の笑い声でかき消されていた。
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