第51章 Infinity ■
何度抱いても飽きない。
何度抱いても足りないな、レイは。
「大好きだよ…」
突然レイから吐息のように発せられた言葉につい動きを止めてしまった。
「私たち…結婚して夫婦になって…独り占めできてるのに、まだ足りない…全然足りない…」
「っ…… レイ…」
徐々に目を細めて触れるだけのキスをして手を繋ぐ。
「僕もだよ……僕も全然レイが足りない。」
この言葉じゃ言い表せない、幸福の中にある辛さ…
この苦しみを知ることが出来たこと自体もとても幸せであり、そしてかなり贅沢だと思った。
こんなふうに、激しく抱き合えることも…。
「はぁっ… レイっ…も、無理。イきそ…」
「私も…っ…あぁっ…」
「…く……一緒にイってくれる?」
「…ん…っ…」
いつまでも、どこまでも、
あなたと共にありたい。
激しくなっていく揺さぶりの中で、
2人とも虚ろな目になっていく。
「っ…… レイっ……っ!」
膜の中に、己の全てを放つ。
それと同時にレイの体がビクビクと痙攣した。
その体を抱き起こして、
繋がったまま2人で肩で息をして。
そしてどちらともなく貪るようなキスをした。
好きも、大好きも、愛してるも、
もう何も言わなくても、
心も体も繋がっているからこそ
お互いのことは全てよくわかる。
言葉なんかいらない。
もうこれ以上の幸福はないと思った。