第51章 Infinity ■
無事婚姻届は受理され、結婚指輪も買って、五条家にも挨拶に行って、全てのことがあっという間に完了してしまった。
周りの情報網はさすがというべきか、あまりにも早すぎて、旅行から帰国した日にはもうLINEの嵐だった。
誕生日おめでとうと結婚おめでとう
この2つの文が何十件もひっきりなしに届いた。
高専関係者から東京校と京都校の生徒たち、硝子や七海、教師陣、それから冥冥や憂憂、九十九といった面々…
つまり一人一人から祝いの言葉と祝いの品がジャンジャン送られてきてしまった。
皆、各々忙しいので結婚式をしたり集まったりはできないがむしろそれでいいと思っていた。
照れくさすぎて頭が沸騰してしまいそうだし、もうこれで本当に胸いっぱいで充分過ぎるほどだから。
「朝目覚める度、レイは僕のお嫁さんになってくれたんだって嬉しくてたまんない」
朝起きると、いつも自分を見つめている五条はそんな甘い言葉ばかり口にしてくるようになった。
「毎日レイが待つ家に帰れることも、僕のために毎日ご飯作ってくれることも、毎日ちゅーしてくれることも、お揃いのもの身につけてくれてることも、……毎日が奇跡みたいだって思ってる」
こうして抱きしめられることも…
そう言って毎回襲ってこようとするため、逃れるのが毎朝の課題みたいになってしまっている。
ちょっとした言い合いになったりもするが、
今自分たちは心の底から幸福を感じていることは間違いなかった。