第2章 call■
「昨夜はおっつかれさまんさー!
俺との深夜デートを断ってまでレイと過ごしていたということは!
それなりの収穫があったと期待していたけど!想像以上だったようだなー!この色男!!」
テンション爆上がりの五条が夏油の肩に腕を回す。
それをうざったそうに払い除けながら夏油は言った。
「深夜デート?語弊がある言い方をするな。
私はいつも悟の深夜徘徊に連れ回されているだけだろう」
「な?!それこそ語弊があるだろ!俺の監視目的でついてきてんだろ!?…あ、いや悪ぃ。俺のことが心配で心配でしょうがないんだよなっ。」
サングラスの間から不気味に細まる碧眼が見える。
その目がレイに流れるのがわかり、瞬時に目を逸らした。
すると五条はレイの耳に新たに輝くそれを舐めるように見つめ、感嘆する。
「ほおおお〜なんか妬ける〜…妬けるよ傑!
俺にも何か貢いでくれ!貢げ!このっ!」
「っ!やめっ!おいっ」
せっかく綺麗に束ねて纏められている夏油の髪が、五条によって乱れ始めている。
それを横目で見ながらレイは頬を膨らめて家入硝子にコソコソ文句を言う。
「もう!硝子!なんで五条くんに漏らしちゃうのよ!」
「どーせすぐバレることなんだから、それなら早い方がいいでしょ」
「・・・」
確かにそうかもしれないが、あまりにも早すぎる硝子の行動には驚きが隠せない。
単独任務から帰ってきた五条がここに入ってくるや否や、これなのだから…
きっと彼女がLINEか電話で知らせたに違いない。