第8章 unexpected
ここ最近は、クマとコンビを組んで任務に行くことが多くなった。
少し、わかったことがある。
クマはレイ以外との任務だとかなり、というか、全くやる気がない。
そしてレイが指示をしないと動かない。
そのせいもあって、クマはレイと組まされているというのもある。
1度夜蛾があえて、五条と組ませたり、夏油と組ませたりしたのだが、全く動かなかったようだ。
本当に、全く、だったそうだ。
そのわりに、あーでもないこーでもないと戦い方についてはコメントしてくるらしい。
つまり、完全に傍観者となっているだけらしい。
しかし灰原の言っていた通り、それはなかなかすごいらしく…
全ての指摘が的を得ていて何も言えなくなってしまうらしい。
五条はもちろんのこと、夏油も結構ウンザリ気味で帰ってきたが、それは素直に認めざるを得ないと言っていた。
夜蛾が言うには、パンダにはそんなことは無いのだが、
ある意味自分にとって、"主" 的な立ち位置の者の意思にしか従わない性質なのかもしれないとのことだった。
ということで、クマを1人の呪術師として数えるのではなく、レイとワンセットとして数えられることが多くなった。
しかしこれは重要な任務の時のみ。
噂が噂を呼び、クマの指導を仰ぎたいという前向きな灰原のような生徒はあえてクマを任務に連れて行っていた。
そして、レイはあれからいくつも呪骸を作ったが、クマのように特殊なものは生まれなかった。
それでも夜蛾の作るもの以上に強いものを完成させていっていた。