第47章 determination ■
「そうでもねぇだろ。」
「え?」
「ブルガリと言えば、アクセサリーだろ」
「えっ、そなの?」
さすがクマだな…
本当になんでも知っている…
「なにか悟にも買っていきたいな〜って思ってね」
「なぁ…お前って…いつの間にそんなご執心になったんだ、あいつに」
「あぁ……」
言われてみれば…
いつ…からだったかな…
レイはグラスに刺さっているオレンジを取り、1口齧ってから言った。
「わかんない…気がついたら、かな。
でも…あんなに真っ直ぐ私のこと思ってるって伝えられたら…心も持ってかれちゃうよね…」
クマは何も答えずにモグモグしながらジィっとレイを見つめている。
「私さ……もう今じゃ…」
「…あ?」
「悟がいないと…息ができない気がする…
悟の笑顔が私に力をくれて、悟がいるから私は幸せでいられる。
私が幸せでいるためには、悟は絶対必要な存在なんだよね…」
彼の笑顔を思い浮かべながら、早く会いたいな…と無意識に呟いた声は、クマだけに届いていた。