第47章 determination ■
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この人…
俺のことからかってんのか?
"君は僕を殺さないと、レイを手に入れることは永遠とできない。レイを手に入れたいなら、僕を殺すしかない。
……意味、分かるよね?"
「どうせ俺が向かっていっても、無下限で跳ね返しますよね?」
「え、跳ね返さないよ?」
「……なんすか、その余裕。
どんだけ俺のことナメてんすか」
「違う違う。そうじゃない。
早く僕を殺せって言ってるんだよ、恵。」
「…はぁ?」
「僕はもう、死ぬこと以外ではレイを手放せないんだ」
「…っ」
その時一瞬見せた五条の顔は
とてつもなく切なげで弱々しかった。
伏黒の苛立ちは最高潮に達した。
拳を強く握りながら息を荒くする。
「……最強がそんなんで、いいんですか?
もしそれが本気だとして、俺に殺されるくらいならレイさんを手放したらどうですか」
「もう遅いよ」
その静かな即答に目を見開く。
「もう、なにもかも遅い…
僕が最強なのは、レイ以外の前でだけ。」
「っ…」
「でもレイを好きになる男の気持ちって、痛いほどわかる。だから、決着つけようって言ってるんだよ、恵。」
「…は?…本当に本気…なの、かよ…」
「うん。僕を殺しても、誰も恵を責めないようにするから安心して。」
フッと笑ったその表情を睨みつける。