第6章 Teddybear
「特級呪術師になったなんて凄すぎますねクマくんは!僕まだクマくんに挨拶できてないんだよなぁ!」
灰原は興奮を隠しきれない様子だ。
「あぁそうだったんだ。でもこの子睡眠時間短いからすぐに目覚めると思うよ」
クマはほとんどの時間起きていて、本ばかり読んでいる。
実はとても勉強熱心なのだ。
それが強さにも繋がっているのかもしれないが。
かと思えば、突然電池が切れたかのようにパタリと寝るのだ。
「実は私も今日、皆さんの訓練を見ていました。まさか夏油さんに勝ってしまうとは思いませんでしたが…まぁお二人の遺伝子を継いでいるということならば納得です。」
七海が無機質な声色でそう言い、ズズっと缶コーヒーに口をつけた。
顔を赤らめたレイが慌てて言い返す。
「違う違う!私たちの子供ではないよ!」
「冗談ですよ…どう見てもクマなのですから…」
「・・・」
確かにそうなのだが、七海のそんな顔と声で言われたら何が本気で何が冗談なのか非常に分かりにくい。
「いやぁ〜!やっぱワンピースに出てくるチョッパーにしか見えないなぁ〜!」
「確かにそうだが…チョッパーはトナカイじゃなかったか?」
「えっ、そうでしたっけぇ?」
灰原と夏油のやりとりに笑いが止まらなくなる。
その反動のせいか、クマはぬくっと起き出した。