第45章 complexion ■
しかもレイは、虎杖に対してもやたらボディータッチの多い絡み方をしていて五条の機嫌を損ね始めていた。
虎杖の肩や背中を叩く回数や頭を撫でる回数などをぶつぶつと数えている。
「はぁ〜…5、6……8……」
頬杖をついてケーキを口に運びながら目だけは2人の方を凝視している。
その様子に気付いた七海が、痴話喧嘩には巻き込まれたくないとばかりに腰を上げた。
「私はそろそろ引き上げます。
今日はありがとうございました。では。」
「っえー!ナナミンもう帰んのぉー?」
「そうだよぅ、ナナミンのお誕生日会なのにぃ〜」
「…もう充分祝っていただきましたので。
あー、虎杖くん、あなたも学生の身なのですからもう寮へ帰った方がいいでしょう。」
空気を読みなさい…と言いたい七海の仏頂面で伝わるわけはない。
しかし、ふと時計を見た虎杖はさすがにそろそろ帰ろうと感じたらしい。
「明日任務なんだった〜!寝坊すっとやべえ!
やっぱり俺もナナミンと出るわ!ありがとうレイさん!」
にこやかに席を立つ。