第44章 Dearest ■ 【番外編】
「・・・」
「・・・」
「えっとね…」
「…今日みたいのはやっぱ嫌だ?」
背後にいる五条の表情は見えないが、声色は落ち着いている。
「嫌では…ないよ?」
「…よかったー…ふーっ…」
「ていうか…愛情を感じられれば、どんな悟でもいいよ?」
「…ならよかった。どんな僕でもレイに対しての愛情だけはめちゃくちゃあるよ」
「ふふっ…悟はどんな私でいてほしいの?」
「そんなのどんなレイだって最高すぎて選べるわけないじゃーん。」
ギュゥウとキツく包まれたのでその体に寄りかかり身を預ける。
「でも悟…さすがにこの全身の痣はやりすぎたよ…
本当に桜吹雪みたいになってるじゃん…」
「じゃあ僕にも同じように付けていいよ?」
ゆっくりと振り向くと、優しく笑う五条と目が合った。
「………つける。お返ししてやる…」
「…望むところ」
その後、互いの体の痣が着いていない所を探して着けるのに苦労するくらい2人の体は花吹雪になってしまった。
でも…それは愛の痛み
愛の印。
どんな自分たちでも…
どんなことしても…
それは…愛なのだと。
二人の間ではそう信じて
そう笑って。
そして祈る。
いつか永遠の眠りにつく日まで
どうかその笑顔が
絶え間なくあるように。
ーFinー