第43章 MY ALL
「どうして何も言ってくれないの!!
何黙ってるの!!」
堰を切ったように泣き叫んだ。
溢れる胸の内は止まらなくなっていた。
「あの頃ずっと…死ぬほど苦しくて寂しかったよ!
ずっと悔やんでたよ!!」
もっと傑のことよく見とくんだった。
自分のことばかりじゃなくて
もっと傑の話を聞いとくんだった。
傑に甘えてばかりいないで
私がもっと…もっと…
傑に何かしてあげればよかった。
「ごめんなさい…でも…
少しは私のこと頼ってほしかったよ!」
私ってそんなに弱く見えた?
そんなに頼りなかった?
「私は傑の何だったの?!
やっぱり私のことなんてどうでもよかった?!」
そのとき、時が止まったように
突然周りの空気が変わった。
「……レイ」
とても久しぶりに名前を呼ぶその儚げな優しい声に
ハッと息を飲んだ瞬間、
ギュッと抱き締められた感覚がした。
「…ごめんね、レイ…」
「……す…ぐる」
「本当にごめんね…
でもそんな悲しいこと言わないでくれ。
私は充分君に支えられていたし助けられてた。
私はレイのこと、誰よりも大切で本当に好きだったよ。」
少しひんやりとした空気なのに
彼の腕の中はやっぱり温かく感じた。