第43章 MY ALL
「どうして…す、す…傑っ、がっ……」
「どうしてって…言ったじゃないか、あの時。
君を迎えに、いや、さらいに行くって。」
最後…必死ですがりついたあのとき、
確かに彼はそう言っていた。
「ふ……嬉しくないのかい?」
「・・・」
「そういえば君は今、悟と付き合っているらしいけれど…まさか私以外の男とそんなふうになる日が来るとはね…結構傷ついているよ、私は。」
切なげな笑みでそんなことを言われ唖然とする。
頭の中がぐちゃぐちゃで思考が追いつかない。
なにがどうなっていて、
なにをどう捉えどう感じればいいのか…
レイは立っていられなくなり、吐き気さえも催し、その場に崩れ落ちた。