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walking proud~呪術廻戦~R18~

第43章 MY ALL



「呪いを産むのが人である以上、僕が受け持つ生徒たちも、いつかはクソみたいな人間の悪意と向き合う時が来る」


「……呪術師ですからね」


世界は理不尽に満ちている。
人の悪意、生じる呪い。

呪術師に限らず、人はそういった苦味を噛みしめ、諦めを知り、絶望を積み重ねて大人になる。


「僕らみたいなのは、そうやって心に回った毒を吐き出す手段を知ってる。でも、多感な時期の若人は別だ。1度の毒が心を壊すこともある。」

「…子供に残った毒を処理してやるのは大人の役目でしょう。教職であるあなたの方が、存じているのでは?」

「分かってるよ。だからお前と話をしに来たんだ」


グラスの中身を飲み干して、彼はバーテンに注文をつけた。


「"シンデレラ"を2人分ね」

「…冗談でしょう」


先の注文に輪をかけて甘いカクテルが自分の分も用意されてしまった。
当然ノンアルコール。
ミックスジュースの類だ…。


「1度ね、七海に預けてみたい子がいるんだよ」

「伏黒くんではないでしょう?」

「虎杖悠仁。知ってるだろ?」

「……亡くなったと聞いていましたが…」

「蘇った。生きてる。呪いの王を宿してるんだ。何があってもおかしくないだろ」


バーテンがそっとカウンターにグラスを2つ置いた。
沈む夕陽のような黄金色の液体。
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