第43章 MY ALL
"だからね七海くん、その命はね、次の価値ある命に繋げなくちゃならない。……繋げてくれた灰原くんに、報いるためにも…"
いつか、命懸けで何かを守らなくてはならない日が、来るかもしれないから…
そうあなたは言っていた。
そして私は重苦しい空気のままこう言った。
"……いた時はうるさいと思ってたんですよ。
ただの私のストレスでしかないと…
そう、思っていたんです。
でも…いなかったらいなかったで、今度はやけに周りの音がうるさく聞こえるし、自分の呼吸音さえも、耳障りなんです…
ストレスが減ったかと思ったら……
増えていってるんですよ…ずっと…。"
"そのストレスは、糧になる。どこまでも七海くんを強くする糧に。
だから、きっと負けない!七海くんはものすごく強くなる。私達もクマもついてる。独りじゃない。"
私はその言葉に救われ、涙を零した。
あなたの顔が直視できなかった。
"七海くんは…生かされた。
だから生きなきゃいけない。生きて、強くなって、次の誰かにまた命を引き継ぐ。そうやって、命は続いていくんだよ。
苦しくて、辛いこともあるけど…それが、生きてるということそのものでしょ。"
傷つき嘆き、ボロボロになっていた私の中へ
温かく優しい何かを流してくれた。
あのときも…
そして今も…