第43章 MY ALL
それでさ、傑…
お前がきっと今でも愛してる女を奪ったことも
許してくれないか?
ホントはレイはさ…
お前を殺した俺を、
ものすごく恨んでたと思うんだ。
なのにその恨みをさ、
俺はずるい奴だから…
必死で愛に変えたんだ。
レイはすごく優しいからさ
そんな俺を一生懸命受け入れてくれたんだ。
本来なら俺は、
レイに殺されていたはずだ。
よくこんな俺をレイは許したよな。
よく考えたら
あんなにお前のことを愛していたレイが
俺に好きなんて言ってくれるようになったなんて
信じられない話だ。
おとなしくレイに殺されていればよかったかな?
あぁ…どうして今更こんなこと考えてるのかな。
いや、違う。
今更、じゃない。
ずっと考えてる。
それはやっぱり俺の心のどこかに
傑に対して
罪悪感があるからなんだ…。
だって俺は…
レイと同じくらいお前のことも大切だったんだ。