第43章 MY ALL
僕はある日…
初めてかつての親友の夢を見た。
夢に出てきたのなんて初めてだ。
傑はあの頃の笑みを浮かべていて…
それで…たった一言、こう言ったんだ。
「何があっても負けるなよ。君は最強なんだから。」
最期の最後にお前が言ったその呪い。
ねぇ、傑…
本当に僕最強かなぁ?
あのころと同じでさ、
"俺" と、傑で
「最強」 なんじゃないの?
あぁ、それからさ…
お前に言い忘れてたことがあるんだ。
「ごめんな。許してくれ…」
お前の優しさに甘えてたこと。
お前の苦しみに、葛藤に、なにもかもに
気付いてやれなかったこと。
お前を救えなかったこと。
全部、全部、なにもかもに
謝りたいんだ。
それで、できれば許してほしい。
どこまでも弱くて
どこまでもガキだった、
"俺"のことを…。