第42章 confession
「お〜い?レイちゃ〜ん?!」
呼ばれた方を急いで振り向き我に帰る。
「早く〜!迷子になっちゃうよ〜?」
五条が手招きして呼んでいる。
「あ、うんっ……」
小走りで急いで駆け寄る。
その途中で1度だけ振り返ったが、
もちろん彼はどこにもいなかった。
「…どうしたの?何見てたの?」
訝しげに顔を除きこまれ、レイは慌てて首を振る。
「ううん、なんでもない。
なんか知り合いがいた気がしたけど、
気のせいだったみたい。」
五条は、ふぅん。とだけ言って、車のドアを開けてくれた。
あぁ。そっか。
私、めちゃくちゃ寝不足なんだった。
だからきっと幻覚なんか見ちゃってて…
でもまさかその幻覚が…
彼だなんて…
こんなの絶対誰にも言えない。
今は私には悟の存在があるのに…
なのに……
私ってどれだけ彼のこと…
でも…
すごく鮮明な幻覚だった。
気配もオーラも何もかもが
あの頃のまんまで…
感じてしまった。
でも絶対にそんなはずないんだから。
だからこれは全部きっと、
寝起きの悪い私がまだ寝ぼけてて…
この時は、
本気でそう思っていた。