第44章 TRIGGERとの共演
「三月、ちょっと・・・」
みんなが出てった後に三月だけ呼ぶ。
「たぶん、一織は陸の発作を気にしてると思う。陸の鞄・・・あった、これ紡に預けてくれる?預けたってこと、陸にも伝えること。いい?」
「わかったけど・・・なにかあんのか?」
「一応、念の為ね。緊張するなって方が無理な話だし。うちはRe:valeの楽屋で見てるから、Re:vale楽しませてみな?って伝えておいて。ごめんね、時間ないのに。今度寮にも遊びに行くね」
そして私は自分の楽屋に戻った。
「キャー!七桜の衣装が可愛いよぉーユキィ・・・」
「和服っぽいデザイン・・・映画にも合ってるね。でもちょっと片方だけ生地が少ないね。可愛いけど」
「細かい説明ありがとう」
「写真撮ろうよ!おかりん撮って?」
「はい、チーズ」
「にゃはぁ・・・可愛い。こっち向いて?七桜?こっちむいてぇ一緒に撮ろうよ」
「もう、うち本番前なんだけど・・・」
「なに?緊張してるの?」
「そ、そりゃするでしょ?」
「Re:valeの時はしてなくない?」
「楽しいって方が勝ってるし、だって、1人だもん・・・」
「うぁ、指冷たっ!モモちゃん暖めてあげる」
「七桜にも普通の感覚があったんだね」
「1番千だけには言われたくないんだけど!」
「はい、そこまでです!そろそろIDOLiSH7の出番ですよ?」
「頑張って!みんな・・・何も起りませんように・・・」
祈るように見ていた。三月はちゃんと伝えただろうか...
「始まるよ?」
「なんか、動きが硬いね」
「緊張してるんだよ」
一織が陸を気にしてる...陸は大丈夫なはずだよ。
結果、大きな失敗はなかったけど、緊張には勝てなくて、成功と呼ぶにはほど遠いできで終わった。
「七桜が落ち込んでもしかたないでしょ?自分のやることきちんとやって?」
「うん」
「モモちゃんパワーあげる」
とギューッと抱きしめてくれた。
「ここでちゃんと見てるから。俺達の為に歌って?」
「そこはみんなのために歌うよ」
「モモちゃんの為に歌って!」
「今度カラオケで歌ってあげるよ。じゃ、行ってきます!」
「「頑張って!」」
舞台袖手出番を待つ。隣にはおかりんと、お父さん...
突っ込むのもやめて、映画の内容を思い出す。