第30章 新居
少しして、七桜もバイトを始めた。
事務所に所属して音楽やってると話して、仕事が入ったらそっち優先させてくれる店を選んだみたい。
というか、洋服屋だからむしろ撮影で使ってと言ってくれたらしい。
七桜が言うには、店長が凄いいい人なんだとか。
七桜は自分の好きな系統の服屋をバイトに選んだのか...
モモは食費の負担を減らすため賄い付きで、賞味期限が近い物を持ち帰れるからと居酒屋でバイトをしている。
僕は...なにが向いてるのかな。
そして、例の霊媒師が来る日。
みんなで揃って座り、よくわからない呪文みたいなのを1時間くらい黙って聞いてる。
本当にこれで大丈夫なのかと思うけど、ちゃんと祓ってもらわないと七桜が来ないって言うから困るし。
やっと終わり、念のため各部屋用の御札と七桜用にと御札をくれた。
気になることがあれば、また連絡してもいいし、そこまでじゃない場合は盛り塩をすればいいとアドバイスもくれた。
お祓いはそれなりの値はしたけど、そこは七桜が出すと言って聞かなかった。
自分のせいだからと...別に気にする必要はないのにな。
全部は悪いから、僕らもいくらか出したけどね。
住むのは僕とモモなんだし。
でも、これで安心して七桜にも普通に来てもらえると思うと嬉しかった。
「七桜、僕もバイトしようと思ってるんだけど、何がいいと思う?」
「千ができそうなバイトか・・・なんだろうね?」
「僕もわからないんだ。モモは?」
「一般的なのだと、飲食店とか洋服屋、コンビニとかカフェとか?コンビニはユキっぽくないから・・・オシャレなお店が似合いそう」
「オシャレなお店?」
「少し高めのレストランとか、バーとかカフェ?」
「あぁー合うかもね!まぁ、あとは自分の好きなもの扱ってる店とかは?千は朝早いのダメだから、時間で探してみるのもアリじゃない?」
「お昼からとか夜からとか、色々あるもんね」
「時間帯に好きな物と、オシャレな店か。少し探してみる」
「別にそこにこだわらなくてもいいんだけどね。まぁ、頑張って探してみなよ」
「頑張って!ユキ!」
百はやっと敬語ナシのさんナシ呼びの会話にも慣れてきたみたいだ。
千も自分に合うバイト探そうとしてるんだ。
ぶっちゃけ適当かと思ってた。