第28章 活動状況
「大輝さん?って人、恐ろしいね・・・」
「俺、あの人知ってます。プロのスポーツ選手の怪我診てる有名な人ですよ。でも、あんなに怖い人だとは・・・七桜さん、大丈夫かな・・・」
私が裏でなんやかんやされてる間、千と百は悟くんと征司さんにレッスンを受ける。
私は痛くて、泣き叫んでいた...恥ずかしいけど、痛いんだよ...
「大輝のバーカ!」
私はその発言を最後に気を失ってしまったようだ...
「限度ってもんがあるだろ・・・」
「大輝は少し強引だからなぁ・・・他の人には優しくしてんのか?」
「優しいかどうかは知らん。ただ、早く治るのは確かだ」
「ねぇ、ギブスって強引に取ってもいいものなの?凄い声聞こえてたけど」
「七桜さん、すごい痛がってましたよね・・・」
大輝は、俺はプロだから何も知らないくせに横から口出しするなと千と百に向かって言う。
「なんで七桜ちゃんには優しくできないのかねぇ」
悟くんと征司さん2人に責められてるけど、全然動じない。
お父さんも怒ってるけど、腕は確かだから怒るに怒れないと私を抱えて部屋に向かう。
千と百は私に付き添おうとしたら、引き止められてレッスン再開したらしい。
「大丈夫だよ。遥人も着いてるし、終わってから様子見に行ってあげな。それに、2人が成長したら七桜ちゃん喜ぶと思わないか?」
ユキさんと顔を合せ、確かにそう言うかもしれないと思う。
「お願いします!」
レッスンを再開すると、鬼のようにキツかった...
さっきまで、優しい顔して言うことだって優しかったのに...
「ほら、もっと足開く!そんなに体硬いと怪我の元だぞー!千斗は踊ってた割りに体硬いなー」
征司さんはグイグイ背中を押してくる。
(俺、柔らかい方で良かった・・・)
子供のことからサッカーしてたし、そのお陰もあるかもな。
怪我しないように、柔軟は欠かさずやってたし...
「ユキさん、頑張って!」
「百瀬もだぞ!柔らかい方なだけだからな!」
(柔らかいわけではないということですね・・・)
征司さんに言われて、慌てて柔軟をする。
けど、七桜さんが心配だな...
痛くて気を失うって...よっぽど痛かったってことだよね...
でも、あの人...有名選手にも信頼されてるし任せても大丈夫だよね。