第3章 FAIL3:悲しい記憶
数分後、雫と政魔と一緒に学校へ行く途中、雫が不思議なことを言い出した。
「遊優魔!風が唄ってるよ?!ほら!」
雫は嬉しそうにしている。
「風が…?」
思わず首を傾げると雫は楽しそうにいった。
「うんほら!」
耳を澄ませると確かに唄ってるようにも聞こえた。
「本当だね…」
小さく笑うと雫は嬉しそうに笑い歌いだした。
「笑っていると心が軽くなるねただ其だけで楽しくなるね~」
楽しそうに歌っている雫をみてなんだか暗かった気持ちが軽くなった気がした。
「おい、バカップル…俺がいるのを忘れるな!」
政魔が苛立ったような声をあげる。
「え?忘れてないよ?」
雫は首を傾げると楽しそうに歌いながら歩く。
「政魔は聞こえる?風の旋律に鳥の歌声が響いてるのが」
政魔は少し考える。
「本当だな…綺麗だ」
政魔は微笑む。
「だよね?」
雫は嬉しそうにしていた。