第3章 FAIL3:悲しい記憶
あの日はよく晴れていた…。
母と妹弟と一緒にピクニックに行った日だった…。
あの日、俺は家族を騏荼軍に連れ去られた…。
「母さん…緋菜…由雨太…。」
あの日から10年…俺は18になった。
雫と出会って10年たった。
此処にきて10年たった。
俺はいつになったら家族を助けられる?
俺は…俺は……。
「ま…。」
誰だ…?
「ゆ…ま…。」
誰かが呼んでいる?
「遊優魔…起きて…。」
「っ!!」
驚いて目を覚ますと雫が目の前にいた。
「やっと起きた…学校遅れちゃうよ…?」
そう言う雫も眠そうだが…。
そうは言ってられなと思いベッドから降りると雫は「先に行くね」と食堂へ向かった。
「またか…」
この夢を見ると気分が悪くなる。