第22章 呪い合い、殺し合い、

レジィは呪力強化した素手でなずなの攻撃を捌いているものの、レシートがどんどん切り離されていくのが目に入らないはずもなく、旗色が悪くなっていくのを肌で感じていた。


チッ、こっちはクソガキとは違ってゴリゴリの近接タイプか。

式神や分身が出てこない分、単体だけ注意しておけばいいが……！


再契象で出した刃物をフェイントを織り交ぜながら飛ばしてもすべて叩き落とされ、続く拳も膝蹴りも避けられて足払いを狙われる。

それを跳んで避けたレジィは伏黒を相手にしていた時以上のやりにくさに眉を寄せた。


クソガキよりすばしっこい上に呪具の扱いも手慣れている。
しつこいくらい距離を詰めてきてレシートを選ぶ隙もない。

俺に術式を使わせないつもりだな。





鋭い突きを避け、続けざまに襲い掛かる払いは後ろに跳んで逃れる。
だがそのまま距離を取ろうとしてもピタリと追いついてくるので鬱陶しい。

こちらの術式が割れているからこその思い切った戦い方だ。



……でも勝ち目がないわけじゃないか。

レシートを使う隙がないのなら既に出している物を使えばいい。


レジィは視界の端に映る伏黒を窺う。