Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第3章 美しき姫君3
城内 とある一室
ガラっ
「翔禾姫!」
「潤兄上様…… この様な所に……」
「この間見せた懸案について、もう一度意見が聞きたいのだ。翔禾姫!」
「そのような事を私に言われても困ります。とこの前も申し上げたではありませんか」
「なぜだ? 翔禾姫」
翔禾「なぜ ? 私の母が亡くなり、父上様が異を唱えない限り、兄上様が櫻井家を継ぎ。和智翔ノ国を治め。いずれは日の本を……」
「私は松本の家の者。長子ではありますが、母親は側室です。それに、私に家督云々は周りの家臣どもの想いであって。私が望んでいる事ではありません」
美しき姫君…… 翔禾姫…… 貴女様が……治めるべきなのだ
私は松本潤《まつもと.じゅん》
*葉月《はづき》の三十日に1七歳なった。
翔禾姫の異母兄である。
*葉月 八月