Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第93章 真摯な告白 和也から翔禾姫へ
-翔禾姫の部屋-
「私、和也様にこれからの事を頼んだはずですよね」
(あぁ、口を尖らせて、子供みたいな事してしまった)
「はい。潤様の助けに。とおっしゃられました」
「ではなぜ?」
「『雅若様とをゆっくりしたい』とおっしゃられましたよね? まさか和智翔ノ国を出られるとは思わずに『 良いと思いますよ』とお答えしてしましたけど。どういう事でしょうね?」
私は、ちょっと"嘘"を言った自覚はあるので、プイッと右を向いて唇を尖らせて……
なんだか、私。さっきから拗ねて子供みたい……あれ?
「和也様こそ、私の質問に答えてはないではないのでは?」
「殿様より『潤には、勇の妻の弟を付けるとするか』とお許しを頂きましたよ」
(本当に……ああ言えばこう言う)
「私は『和也様と智殿なら潤鈴兄上様を。和智翔ノ国を。民を。幸せにする為力を尽くしてくれます』そうお父上様に申し上げたのに……先ほどから私と和也様。会話が噛み合っていなくないですか?」
「私は、殿様の涙ながらの『親バカを許してくれ。私は、翔禾姫と雅若の幸せを、心から願っているんだ。を心より思ってくれている和也に。お願いしたい。翔禾姫をこれからも、支えてやって欲しい。よろしくお願いします』そのお言葉を頂き……いえ、自らの意思で翔禾姫様のお傍に来たのです」
会話が噛み合わないというより……
「なぜ、私の所に……」
「一生涯、お傍で翔禾姫様を守ると。幼き頃より決意して来たからです」
和也様の未来を想い、違う場所にて羽ばたいて。と願う私と。私の未来を想い、傍に居る事に決めていたという和也様……
「なぜ? 貴方には人心を掴み、政治など表にて力を発揮する才覚があるのに……なぜ?」
「何回かお話しましたよ? 翔禾姫様は雅若様が成長する過程で、再び、雅若様を担ぎ、野心を抱く者が現れるやもしれぬ。雅若様と潤様の関係を壊してはならない。そうお考えになり、瑠璃ノ島に移住する事にされたんですよね?」
( 和也様……)
「二宮家は櫻井家を護衛する、大役を承る名誉を仰せつかり感謝致しております。しかし、そこに甘えてはならない。そう思い、自分の将来を何回も真剣に考えました。潤様には申し訳ないですが。翔禾姫のお傍にて仕える道しかないと。その考えが変わる事はなかったんです」