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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第86章 爽から義父母へ


「お義母上様……」

 次に爽は、涙しながら皆の様子を優しく見守っている翔希の方に言葉を掛けた。爽の表情は、緊張感に満ち満ちていて。

「どうしました? 爽」

 その暖かい声音に、爽は、なんでか胸がギュってなって。涙しそうになって。

「お義母上様、翔菜姫が、外喜にもう二度と命を狙われないよう。存命している事を隠してでも、守りたいと思いました。 その為にお義母上様に嘘をついて。お義母上様のお気持ちを考えたら……」

「お父上様……」

 翔禾姫は、拳をギュって握りしめ、膝の上に涙をポタポタと落としている。 いつのまにか目覚めていた雅若が。


「なかないで ショウひめさま」と……


「爽。翔菜姫を守ってくれてありがとう。瑠璃ノ島を何年も掛けて一から造りあげて、翔菜姫の居場所を作ってくれてありがとう。『生きていたら』和智翔ノ国に居たら、桜城に居たら……外喜に命を狙われ続けていつか本当に……貴方の取った行動が、一族の。外喜に屈しない為の結束が高まって行ったのだから」

「お義母上様……」

 爽は、 涙を止める事が出来なかった。

「お義父上様……」

「うん……」

「私の決意から、お義父上様の兄の幸殿と妻の早月を別居させてしまいました。申し訳ございません」


「『公』ではそうだが『私』では、爽の父母ではないか」


 陽は。


「そなたも、胸引き裂かれる想いで決意し行動して来た事であろう」

 と。


「私達夫婦、翔禾姫、雅若。潤。純梨の方に、翔菜姫の事を知らせずにいたのは、外喜が、 己の野心の為なら身内の潤や、純梨の方さえも傷付ける恐れがあるから守りたいと。 こちらから攻撃を仕掛けて 命を落とす事にならないよう『逆らう気持ちは無い』と、油断させて…… その一方で、兄の幸が、家臣団の中で外喜がこれ以上のさばらないように、手綱を締めて。勇が護衛面での守りを固めて。早月殿には翔菜姫を……爽も、己のすべき事をした。皆が皆で頑張ったから、ここまで来たんだ 。良いな」























 





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