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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第71章 翔禾姫の心に芽生えた想いは?


 -潤の部屋-

「翔禾姫様は、何を思い悩まれておられるのでしょうか?」

 この所の翔禾姫の様子を心配し、元気の無いなずな。

「雅若の心を心配して……」

「それでしたら、翔禾姫様のお心もでございましょう?」

(なずな……)

 いつもならば、なずなに心の中を話してくれるのに、今回だけは。

『心配ない。大丈夫ですよ』

 としか、言わない翔禾姫に心を痛めている、なずな。私も翔禾姫の事は心配している。

 しかし、なずなが元気の無いのが……私には……

「翔禾姫自身、表だって見た目で分かる体調の悪さとは違って、心の中の不調に気が付いていないのか……」

「だとしたら、注意深く私が見て差し上げねば……ですね」

(なずな……自分の事も心配しなさい。困った子だね)

「なずな、足の捻挫はどうだ? まだ痛むか?」

「潤様、心配して頂きありがとうございます。薬師様に痛み止めの膏薬を貼って頂いた後、直ぐに楽になりましたので。今はほとんど痛みは残っておりません」

「そうか……良かった」

 その後、なずなが心配しているし、もちろん私も。そして、翔禾姫の心の中にある心配事を聞いてあげねば。と部屋に来てもらったのだが……


 随分と落ち着いた感じの表情をしていて。

「確かに。この先の事を考えると、どうしよう? ばかり自分自身の事で一杯一杯で、周りを見る余裕がありませんでしたね。潤兄上様、なずな。心配掛けてごめんなさいね」

「いえ翔禾姫様……でも、お顔の色も良くて……少し安心しました」

「ええ……吹っ切れたというか……」

「吹っ切れた?」

 面白言い回しだなと思ったんだ。その時。

「国民達目線で、様々な策を練る事の出来る潤兄上様と。誰にでも優しくて、しっかり者で。家の中を過ごし安く整えて守るなずななら……和智翔ノ国は……安泰ですね」

 小さな声で粒やいた翔禾姫の言葉の真意を、その時私は。深く考えなかったんだ……




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