Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第70章 あなたがいたらそれだけで……
「ショウひめしゃまは もう おきないの?」
(雅若様? 泣いてる?)
「そんな事ございませんよ。雅若様」
(なずな……?)
「外喜め、ここまで追い詰めて…… 本当、直接尋問してやりたいのだが」
(潤兄上様怖いです……)
「殿様の怒りが激しいようで。取り調べの記録を取っている者が震え上がっているとか」
(和也様まで……怖い……)
「外喜も、軽い取り調べ程度と甘く見てたようですけどね…… そうは問屋が卸しませんよね」
(怖い事を……智殿まで……)
「和也様に。和也様のお父上様の勇様と、殿様が一緒に、櫻井家に内応して来たの叔父上の家臣を徹底的に調べましたし。智殿も数年がかりで調べた叔父上の所業も白日に晒されて」
(お優しい純梨の方様が……)
「外喜は、もう逃れられないと悟って 、素直に取り調べに応じだしているしな」
(潤兄上様……?)
「外喜は、もう逃れられないと悟って 、素直に取り調べに応じだしていますしね」
(和也様……?)
「外喜 は、もう逃れられないと悟って 、素直に取り調べに応じだしておりますしね」
(智殿……?)
(三人同時に同じ事を言うって……)
(私なんて夢見てるのかしら?)
「ショウ ひめしゃま?」
雅若様の声。さっきまでの、どこかボンヤリ聞こえてきたのと違って……