第5章 嬉しい出会い
数回の呼び出し音の後
木立:
「お電話ありがとうございます。
ツリーガーデン木立でございます」
声の第一印象は、顔写真と変わらず、温和で気さくな感じだった。
「あの、櫻井と申しますが…」
木立:
「ああ!
大野さんからお話は伺っております!」
あの時のじょうろのお礼はメールでしたけど、そんな前の人の名前で ピン とくるなんて、良いマネージャーになれるよ!
「以前はメールのみで失礼いたしました」
木立:
「いえいえ、お忙しいのにわざわざご丁寧に」
「あのー、今日…なんですけど、
うちの子達の植え替えなんて
無理ですよねぇ~」
木立:
「3鉢でしたよね?
櫻井さん、今日のご予定は?」
ホント、よく覚えてるわ…
「急遽丸々オフになりまして、
何時でも良いんですが…」
木立:
「13時頃でしたらお伺いできますよ!」
「本当ですか!?」
神様、仏様、智様、
ありがとぉ―――――――!
(櫻井、心の叫び)
「ポトス と パキラ と ガジュマル でしたよね?」
木立さん、あなたの脳細胞、
少し分けてもらえませんか?
(櫻井、心のつぶやき)