第2章 柱合会議
「「「「いただきます」」」」
夜が明けたまだ間もない時間ーー
本殿では、垂衣をした2人と義勇、実弥の4人は膝を突き合わせて朝餉を取っていた。
「質素な朝餉で申し訳ございません。」
深聡は申し訳なさそうに言う。
「いやァ。準備していただけるだけでありがてェ。」
コクリ
実弥の言葉に義勇も口の中を一杯にしながら頷く。
「良かったです。おかわりもありますので、お気軽に仰って下さい。」
千聡は義勇の勢いにクスリと笑った。
スッ…
「おかわりをお願いしてもいいだろうか?」
口の周りに米粒をたくさん付けた義勇が千聡に茶碗を差し出す。
「もちろんです。」
千聡は立ち上がり茶碗にお米を注ぎに行った。
「冨岡ァ!お前!何普通におかわりしてんだよォ!遠慮しやがれェ!」
「お気になさらないでください。作った甲斐がありました。冨岡様、お口の周りにお米が付いてますよ。」
深聡の指摘に義勇は口の周りを触るが、絶妙にずれて米粒を取ることができない。
「ふふふ。お取りいたします。」
深聡は笑いながら義勇の米粒を取るために手拭いを手に腰を上げる。
「いい歳こいて口の周りに米つけてんじゃねェ!」
深聡の手から手拭いを奪い、実弥は義勇の口をゴシゴシ拭いた。
「???」
千聡が茶碗を手に皆の所に戻ると、肩を震わせながら笑う深聡と口の周りが赤くなった義勇、義勇に向かって何か言っている実弥の姿があった。
「(表情は見えませんが、姉様もお二人も楽しそうな気配ですね。)お待たせいたしました。」