第19章 アフター・ダンスパーティー
「ちょっ、どうしてすぐに暴力に持ち込むのー??痛そうな名前の響きじゃん、なに、僧侶じゃなくてモンクにジョブチェンジした?」
『甘くない、痛い方のシュークリームを今すぐにかけたい衝動だなあ。解決策は悟が傑さんとこに行けば収まるんだけど?』
シュークリームって技、あるしね。痛い方って言うとそれを理解した悟は流石に掛けられたくないらしい。
クーン……と悲しそうな子犬の様な声を出し、ちょっと背を丸くして傑の方向へと数歩進んで一度振り返り、背をピンとまっすぐにしてまた進んで行った悟。テンションは切り替えて傑にちょっかいを掛けるモードになったようだ。
よし、標的は変えられたな!と少しばかり任務の達成感を感じて拳を握りしめ、くるりと振り返る。くすくすと笑う歌姫はやけに楽しそうで。
「お久しぶり、ハルカ。あの五条をなんとか制御出来てるのは良い事よ。どんどんあいつをシメてやってちょうだい!」
『お久しぶりです、歌姫さん』
大人組はまだかまだかと開始を待ち、ちゃっかり確保したグラスが近くの長テーブルに置いてある。生徒も近くにいるので、ソフトドリンクのグラスも並んであった。
ちゃっかりつまみまで確保してあって、テーブルに片手をついた硝子がははっ、と笑って歌姫に向かい、私を指差す。
「ははは…、見てる限りほとんど振り回されてるようですけど。ハルカなりにあいつとの付き合い方を学んだんですよ」
「何か技とか言ってたもんね…あいつの弱点なのかしら?」
あっ!と思い出して携帯をバッグから取り出す。まだあの画像は見せてなかった。
さくさくとスクロールした先の画像を歌姫にと見せ、にっ!と笑った。
『これ、この前に上手くキマった筋肉バスター…!オイタの過ぎる奴にはこうやって技をキメればこっちのモンですよ!』
「…ブッ!はははっ、ハルカも凄いことになってるでしょ、なんて格好してんのよ、ふふっ…、よりによってこんな…っ!」
まだアルコールは入って無いけれども飲み屋に居る感じに盛り上がって来てる。
一度送ってる硝子も画像を見て、うんうん頷き鼻で笑った。
「あー…これか。ハルカも水着姿で良く掛けたなー恥じらいはちゃんと持っておきなよ」
『HAJIRAI』
「……異国の響きじゃないかんね?」