第19章 アフター・ダンスパーティー
「よく冷えたスイカ食べてさ、シャワー浴びてさっぱりして、お互いの髪を乾かし合って。のーんびり夜を過ごして寝る。
僕の大好きなハルカが奥さんになってくれたからそういう些細な幸せを一生、共有出来んの。春夏秋冬、毎日一緒に生きていける。
今は僕が独り占めしてるけど、いつか生まれてきた子供と僕でオマエを取り合ったりさー……」
優しい声色で言ってるけど、そういうのは正面で言ってくれた方が嬉しいんだけれど。でも、じわじわと嬉しくて少し照れくさい。部屋の暑さと生理中の高めの体温と悟の言葉でトリプルに暑い。
悟のその言葉を聞いて、この暑さというストレスの中、ベタベタくっつきながら文句言ったり、笑い合ったりしてる今は確かになんだかんだ幸せで。
『急にフラグ立てるような事言ってどうしたの、悟?』
私の後頭部の方で、んー?と少し甘える声を出して。
「……マジで身体、大事にして長生きしてよ、ハルカ。俺、寂しんぼだからさ……早死とか絶対に許さないからな?」
『なにそれ。早死するわけないでしょ、そもそも死にたくて生きてるんじゃないんだから』
ちょっとだけきつく抱きしめる腕。
「もし、早く死んでも死んだ事を僕は諦めないからね?僕、しつこい男だから神サマにもハルカを渡さないつもりだから。僕と背中丸めてしわくちゃになるまで元気でいるんだよ?」
『……うん』
抱きしめる腕が緩み、私の鈍い痛みを感じるお腹を優しく撫でる悟。
どうしてかな…。顔の見えていないはずの悟が泣いているような気がした。