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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第15章 縛りの為の呪物


プライベートビーチ。こんなに絶景で広いのに誰も居ない。明るいとやっと全貌の見える備え付けのテーブルと椅子、それからビーチパラソル。きっとパラソルに至っては朝の内にスタッフがセッティングしたんだろうけれど。
ビーチベッドなどもセットされている。部屋はいくつもあった筈だけれど二脚の椅子や、ベッドもふたつという事から多分私達の為だけに用意されてるんだろうな、と理解したら腹の奥がきゅっとする。五条パワーを感じた。

そんな一面の砂浜とエメラルドの穏やかな海の絶景で朝の散歩を並んでしている。サンダルに細かな砂が入って足の指に纏わりつくけれどいちいち気にしてられない。いくら払ってもすぐに入るしここは慣れてしまえば良いって事で。
この開放感、自由、南国……。
むずむずとする気持ちが抑えきれなくて、その場でサンダルを脱いで片手に持つ。普段は悟を子供か?ガキか?キッズか?……などと低年齢層に見えてはしゃぎっぷりを叱る私も今回ばかりは子供のようになりたくなるってワケで。

「もーめっちゃはしゃぎ過ぎてるじゃーん!」
『うっせ!これがはしゃがずにいられる!?……ん、これは無理だよねーっ!』

たたたたっ…と足裏がさらさらとして気持ちの良い砂浜。時々サンゴの死骸でゴワッとした感触を感じながら海の近くまで走った。
後ろで大きな笑い声を聞いて、今は海のそばにひとりで駆けて行ったとしてもプライベートビーチって事と悟が一緒っていう安心感がある。
もう少しでエメラルドがかった透明な海水、という所でちょこちょこと動くものを発見してしゃがみ込んだ。
……ちょこちょこと動く巻き貝、カニみたいな節足部分が見える。これはヤドカリか…。
海風で靡く髪を耳にかけてそれを見て、こちらへとゆっくりと歩いてやってくる悟の方を見た。

『悟っ!悟!さーとーるっ!こっちこっちこっち!』
「んー?何よ?なんか宝の地図でも流れ着いたワケ?メッセージ入りの瓶とかズンドコ音のなるボードゲームとか…」

『ジュマンジは流石にねえわ。
これ!ヤドカリ!ヤドカリ居るっ!』

ちょこちょこと歩くのは小さな3センチ程のヤドカリ。少しだけ速歩きでやって来た悟もしゃがんでサングラスを指で持ち上げて覗き込む。砂浜に悟の影が出来てその影にヤドカリが警戒してか動きをぴた、と止めた。
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