第20章 星空の下で愛を語らう
「ハルカ、あんた顔やばいわよ。表情で人を殺せる、視線がろくでなしブルース」
『……おっと、さんきゅ、野薔薇。表情筋を緩く…緩く……イメージするのは月島きらりくらいにピュアになっとこ』
「んっふ!」
虎杖の方向から吹き出す音を察知。ギュン、と悟の張り付いた状態で振り返った。そこには必死に口を塞ぐ虎杖が目を泳がせてる。
『おめー吹いたな??』
「ないッス、吹いてないッス!」
「やー!京都行くのやだー!僕が反対しても駄目だもん、ハルカ直談判して!ウウッウッ、ウッ…」
虎杖と話をしてる最中でも駄々をこねる悟。虎杖から悟にターゲットは変わった。
視界に見えるケセランパサランに、チッ、と舌打ちをした。すると多方面からの言葉が。
「力だけじゃ何も生まれねーよの次のカットイン、それか愛美愛主潰しにかかる決意表明時、ひよる事、許すまじ」
「真の英雄は目で殺す」
「バイオゴリラ」
『おい虎杖……それランサーやろ…』
多方面からよく考えたらプッツンしそうなコメントが投げられたのはさておき…伏黒だな、バイオゴリラ言ったの。
とにかく。
私としてはずっと京都に居るってわけじゃないから嫌じゃない。むしろ良い経験を積める機会なんだって思ってる。その経験を積むためには悟をなんとかしないといけないわけで。
しがみつく背後のスタンドに声を掛けた。
『直談判はしないよ、これも良い経験だもん。任務なんだと思ってくれれば良いじゃん?』
「クッ…!ハルカの分からず屋!アタシと任務、どっちが大切なのよー!うわーん!実家に帰らせて頂きますー!」
私から離れてタッタッタッタ…と教室から飛び出していった悟。
ようやく離れたな、と担任による泣きつきの制服の乱れを直した。
「ハルカ、良いのかよ?五条先生追わなくて」
『良いんだよ、伏黒。だいたい行動が読めてる。すぐに戻ってきて、廊下から教室をじっと…繊細な巨人みたいに覗き込む展開になるから』
はあ…?と不思議そうに一応納得する伏黒。しばらくすれば廊下からじっと悟が覗く繊細な190センチの巨人が立ってる、予測通りの展開となった。