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牧場物語生活へトリップ!?

第2章 農業生活二日目


心地よい風を受けながら、私は釣り竿を振った。ルアーが勢いよく、遠くへと弧を描き飛んで行った。リヒトも同様に。川の水は透き通っていて、とても綺麗だ。

直ぐに釣れる事はないだろうと思って、リヒトの方を向いた、が、焦った顔をしたリヒトの顔を見たと同時に、川の中へ引きずり込まれそうになった。

慌ててリヒトが体毎、支えてくれて事なきを得たのだけど・・・糸の先を見れば、大きな魚影が見えた。まさかの展開。これがレベルの恩恵なのだろうか?

リヒトも手伝ってくれて、何と釣り上げることが出来たのだけど・・・。

「これ・・・鱒?」

「そうだね。こんな大きいのは、そう見ることはないよ。」

リヒトが魚を外してくれて、ビクの中に入れてくれた。ビギナーズラックって事もあるけど、一先ずは釣れて良かった。・・・なんて事を思っていた二時間前の私を殴りたい。

「莉亜、そろそろ帰った方がいいよ。もう、魚が入らない。」

「はい。ごめんなさい。」

「莉亜は魚までも引き寄せるんだな。」

楽しそうに笑っている。今日の釣果は私は6匹。リヒトは4匹だった。文句なく大漁である。目と鼻の先とは言え、結構な重量だと思われる。リヒトは顔色一つ変えずに、運んでくれたけど。

キッチンで、早速、解体してくれた。あ、魚は全て鱒。今度は、リベンジして他の種類も手に入れたいと思う。合計10匹の鱒が、綺麗に三枚卸しにされ並べられた。

半分はオイル漬けとして、後は今晩の夕食のメインと冷蔵庫の在庫へと振り分けた、一匹の半身だけ香草と共にたたきにしてくれたものを試食する。

「ん~っ!!美味しいっ!!!リヒトさん、これ瓶詰にして保存したいです。」

「ありがとう、気に入ってくれたんだ。」

リヒトにお願いしては、2匹分を瓶詰にして貰った。もう、毎日でも食べたい。そして、夕食のメインは鱒のフライだった。フワフワのホクホクにタルタルソースが絶妙で、ホッペを落とす私にリヒトは嬉しそうに笑っていた。

そして、サクランボはプリンとなり、珈琲も淹れてくれた。ずっと、感嘆の声を上げる私。苦いものがそう得意ではない私に、カフェオレにしてくれたのは嬉しい。

リヒトはブラックがお気に召したらしく、珍しくお替りしていた。どうやら、大人な味が好きらしい。そこで、ふと気づく。

これって・・・餌付けされてない?


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