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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第1章 はじまり


あれから2週間

私がどんなに辛くても、世界はまわってて。



なーんて大袈裟な言い方しちゃうくらい、まだまだ現実を受け止めきれずにいる自分がいた。



だってしょうがなくない?


浮気だけならともかく、浮気相手妊娠させて

約9年付き合った彼女とは婚約破棄して、浮気相手と婚約って。


ドラマじゃん(笑)



平凡な私の人生に、そんな劇的な出来事は必要ないのに。



こんなおもしろい話ある?

だけど、だからこそ?


惨めすぎて誰にも言えなかった。



もう婚約破棄ってだけで、十分ドラマチックじゃん。


はぁーーーーーって大きなため息が出て

慌てて深呼吸するフリして吸い込んだ。


気を抜くとすぐため息が出てしまう。

涙を流さないだけえらい!なんて自分で自分を励ましてるけど、仕事は仕事だ。

目の前のメールをさばいていく。



ってとこでまた一通の新着メール。

クライアントからだ。



げ。件名に「至急」って入ってる。

見たくないけど、見ないわけにはいけない。



ため息は心の中だけで、

メールを開くんだけど。



「げっ」



思ってた以上にやばい内容が書いてあって、ため息どころか思わず声が出た。



この前オッケーが出たはずの内容を修正してほしい、それも明日までにって。

何言ってるの?って返したかったけど

今年で25歳。


大人だから我慢した。



時計を見れば15時過ぎ。

そもそも送ってくる時間遅くない?


……まぁ、今決まったんだろうけど。



[かしこまりました。明日までに修正し報告いたします。その他にも何かございましたらご連絡お願いいたします。]



まずはクライアントに返信。

そしてもう一通。



[お疲れ様です。下記内容の依頼がありました。今日中に修正します。]



外出中の黒尾さんへ。



そして、数日前にオッケーが出たはずのファイルを開いて、一度大きく伸びをした。


まぁ帰ってもどうせ一人だし?

やることないし?



今日これから何時に帰れるかわからない自分を励ます理由としては、十分だった。
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