第5章 食事へ.2
「てかこの前の合コン?どうだった?初めてだったんだろ?」
「あ、はい。楽しかったです!」
「それはよかった。いい人いた?」
「いい人、というか。
高校生の時のバイト先の先輩がいてびっくりしました」
「へぇ~偶然?」
「はい。1年くらいバイト一緒だったんですけど、一番お世話になった人で。
で、それきりだったんですけど、8年ぶり?とかでした」
「へぇ~」
「だったのでその後飲みに行ったりして。
なんか思ってた感じより全然楽しかったです!」
「そっか。バイト、なにしてたの?」
「その時は居酒屋です」
「居酒屋のバイトって大変じゃない?変なお客さんとかいなかった?」
「あーたまに。基本はいい人が多かったんですけど。
だけどそういう時によくアキくん……
あ、その先輩に助けてもらってました」
「仲、良かったんだね」
「私はそう思ってましたけどね。
5つも上なのに、だいぶ馴れ馴れしかったと思います(笑)」
「じゃあ、俺と一緒か」
「え?」
「"アキくん"と年」
「黒尾さんって今年30なんですか?」
「うん。知らなかった?」
「そういえば、知りませんでした。もう少し上かと思ってました」
「えーーーーー」
「や、いい意味でですよ!大人って意味で!」
「そう?まぁもうオジサンだもんな~」
「男の人って30歳からっていうじゃないですか!今からですよ」
「そうだといいけど」
「たぶん黒尾さんは一生モテると思うんで、心配する必要ないですよ」
「いや、モテなくてはいいんだけど」
「そうですか?私は1回くらいモテてみたいです」
人生一度きり。ぜひそんなことを経験してみたい。
「そうなんだ?」
「はい。まぁないと思いますけど。言うだけはタダなんで!」
「そんなこともないでしょ。
ま、とりあえず俺の年、覚えといて」
「了解です!」
「話聞いた感じだと………
少しは元気になった?」