第5章 食事へ.2
「えーーーーーー!そっちか!」
「なにが?」
「いや、アキノリくんもいいと思ったけど、黒尾さんがいいよ!だって間違いないもん!」
「いや、そういうんじゃないって」
「なんで?!だって黒尾さんが誰かと食事に行くとか聞いたことないもん!」
「主旨が違うよ。私のは部下へのフォローだから。申し訳ないけど。
で、さおりが知らないだけなんじゃない?」
「私の情報網なめないで。
え、黒尾さんはどうなの?」
「どうもなにも、違うから」
「じゃあ奈々は黒尾さんのことどう思ってるの?」
「素晴らしき上司」
「いや、男女って意味で!」
「そういう目で見たことないよ」
「信じらんない!」
「この前まで彼氏いて、なんなら一瞬婚約までしてたから」
「あ、ごめん」
「いや、いいけど。だから残念ながらさおりが思ってるような感じじゃないよ。
てか時間大丈夫?」
「あ、そろそろ行かなきゃ。
うーん。とりあえず何かあったらすぐに教えてよ!
じゃ、先に行くね!お疲れ様!」
「(友達)は楽しんで!お疲れ~!」
さおりを見送り、待つこと20分。
手に持っていたスマホが振動する。
画面を見ると「黒尾さん」
「お疲れ様です」
『悪い。今出て向かってるからもう少し待ってて』
少し息が上がってる。
「大丈夫ですよ。また着いたら連絡下さい」
『あぁ、ありがとう。急いで行く』
「お気をつけて」