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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第71章 帰り道


「え、でもなんで?」





なんで寝坊して自転車を買い替えるんだ?って。



そりゃそうか。





「寝坊して次の電車乗らなきゃヤバくて

私、ルール違反しちゃったんです」





その時のことをザックリと説明





「それでこの自転車買いました」



「あらら。けど、残念だな」



「何がですか?」



「一緒に買いに行けなくて」





…………約束、覚えててくれたんだ。




口元がゆるゆると緩みそうになるけど


外だから、グッと我慢する。





「ホントですよ。

黒尾さんのせいです」



「俺のせい?」



「はい」



「そっかァ(笑)

でも、次は絶対な?」



「でもそれ、何年後ですよ?

もう絶対駐輪場に停めるって決めたし」



「ソレはそーしてください。

けど、何年後でも

何十年後、でも。だよ」





前を向いて笑いながらそう言う黒尾さんを見上げる。





「………それって、プロポーズですか?」





ちょっとだけ、驚いた顔




だけど





「さァ?どうでしょう?」





その後は、相変わらず

前を見ながら笑っている黒尾さん。





「別に、プロポーズなんていらないです」





またちょっと、驚いたように


今度はこっちを見られて。




今度は私が前を向く。





「ただ、ずっと一緒にいてくださいね?」



「もちろん」





プロポーズの言葉も指輪も


そんなただの形式はいらない。





ただ、隣に



そして今度こそ




何年後かに





次に自転車を買いに行く時。





一緒にいてくれたら。






それでいいし




それがいい。
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