第4章 合コン
「よーし!仕事終わりっ!奈々も出れるよね?」
「あ、うん。
最後にこれだけ。もうちょっと待って」
「オッケー!」
「二人とも、帰れそう?」
「あ、黒尾さん!お疲れ様です!今日はもう失礼しまーす!」
「私も。お先に失礼します」
「はい。佐藤がワンピースって珍しいね。
ってこれセクハラ?」
「黒尾さんならセーフです!でも私は?!」
「原田はいつもワンピースでしょ」
「そうでした~!今日、これから合コンなんです!
奈々、合コン行くの初めてだから、ワンピース着させました!
奈々もいつもワンピース着ればいいのに!」
「いや、パンツが楽だし」
「もぉ~!けど今日ちゃんと着てきてくれたら許す!
じゃあお先に失礼します!」
「お疲れ様でした」
「お疲れ様。じゃ、楽しんで」
「はーい!」
ひらひらと手を振る黒尾さんに挨拶して。
「……どうしたの?」
「ん?何が?」
「さおり、なんかご機嫌じゃない?」
「えー?そう?
……今日運命の人に出会えたらいいなー!と思って!」
「ほんと、出会えたらいいね」
「え?!奈々も見つける気になった?!」
「いや、さおりにね」
「なーんだ。でも、奈々はいっか!」
「なにが?」
「んーん。なんでもない!ほら、メイクなおしていこ!」
トイレでポーチを開く。
今日はちゃんと合コンにいくつもりできたから、メイク道具が入ってる。
意外と初めての合コンというものを楽しみにしている自分がいて、なんだかホッとした。