第49章 11月
………………。
"なんとなく"
なんて思ったけど、
何事もなく、まだ黒尾さんと付き合っていたら
黒尾さんと過ごしていたと思う。
だから。
そして、それだけ。
………………。
最寄駅とは違う駅で降りて
アキくんに連れて行ってもらった、日本酒バーへ
前に行った時、
ひとりで飲んでいる人もちらほらいて
基本的に、私がおひとり様が出来るかどうかの基準は
"他にもおひとり様をしている人がいるかどうか"
どうしても、周りの目が気になってしまう性格だから
それはかなり重要で。
何度かアキくんと行ったけど
毎回ひとりの人がいたから。
重いドアを開けて、挨拶をして
カウンターの空いている席に座る。
お気に入りの日本酒を頼んで
ひとり、心の中で乾杯。
何に乾杯しよう?と思ったけど
25歳の私に。
1年間、お疲れ様でした。
いろんなことがあった1年だったけど
よく頑張りました。
って。