第1章 はじまり
いったいどれくらいの時間、ぼーっとしてたんだろう。
陽当たりの良い部屋はいつの間にか真っ暗になっていて。
「あ、洗濯物。取り込まなきゃ……」
誰もいないのに。
まさに"独り"言。
だけど数時間前から体のコントロールを忘れてしまったようで
ベッドから起き上がることができない。
そして、涙が止まらない。
どうしてこんなことになってしまったんだろう。
いつからだった?
なにも知らなくて、左手の薬指に涙を流していた1ヶ月前の私へ。
幸せなんて、続かない。
1週間前の私へ。
今日が1番辛いから。
明日はもう少し楽になってるはずだからなんて思ってたけど、
残念ながら違いました。
世界は、残酷だ。