第45章 9月1日
………………。
いつもと違う電車に乗って、
いつもと違う駅で降りて。
最近教えてもらったおにぎり屋さんへ。
前に行った時、けっこう一人の人も多かったから
勇気を出して行ってみる。
9月になったし
新しいことに挑戦しよてみよう……!
なんか、そんな感じ。
少し緊張しながらお店に入ったけど
程よい混み具合?で、空いてる席に通してもらって
他の人に紛れて、カウンターで食事をした。
一人なんだけど、そうじゃないような気になったし
おにぎりが、すごく美味しかった。
「あれ?お姉さんこの前来てくれてましたよね?」
「あ、はい。会社の人に教えてもらって」
「今日一人で来てくれはったんですか?」
「あ、はい。すみません」
なんとなく、謝る。
「なんで謝るんですか?!
一人で来てくれてめっちゃ嬉しいわ~!
ゆっくりしていってくださいね?」
「ありがとうございます」
気さくなお兄さん
なんか、いいな。
こういう、
一人で来れるお店ができるのはありがたい。
しっかりと食事して、お会計を済ませて。
帰りの電車に乗る。
普段はずっとスマホを見てるけど、
なんとなく。
スマホは今日もバッグの中にしまったまま
その他はいつも通り、家に帰った。
でもたぶん、黒尾さんからの返事はないだろう。
理由はないけど、
なんとなく。
一応、昨日と同じように
ドアの前でスマホを確認する。
見る瞬間はやっぱり緊張したけど
昨日ほどの緊張はなかったし、
やっぱり黒尾さんからの返事はなかった。