第35章 仕事と週末と飛行機と
考えているようで、無言の時間
黒尾さんの返事を待つ。
『………ありがと。
じゃ、お言葉に甘えて、そうさせてもらおうかな』
「うん。そうしましょう。
あ、ただ会えるんなら会いたかったです。
会いたくないわけなんてないので、それは勘違いとかしないでくださいね?」
『マジでゴメンな?』
「来月はたくさん会えると思うので、それで大丈夫です!」
来月、黒尾さんは東京の仕事で
こっちで仕事をする機会も多いらしいから。
『来月はいっぱい一緒いような?』
「もちろんです。
とりあえず、二度寝してください?』
『お言葉に甘えて、そうさせていただきマス』
「じゃ、また起きたら連絡待ってます」
『はい。じゃ、また連絡するわ』
「はーい」
終話ボタンをタップして
………ふぅ。
思わず息が漏れる。
これは
ため息では、ない。
つい、安心してしまった。
黒尾さんには、会いたかった。
だけど、黒尾さんが無理してる。
そして、私も疲れていて
黒尾さんのため
だなんて言いながら、
実は今日はこのままゴロゴロと過ごすのは
アリなんじゃないか?と。
というか、来週のことを考えると
休められるなら休んでおくべきだと。
任せられた仕事は、責任を持って行わなければいけない。
きっと今月、この研修期間がピークのはず。
今月、残り半月を頑張れば、
来月は黒尾さんにたくさん会えるんだもん。