第23章 バレンタイン(翌日)
「すみません。
動画検索するのでお待ち下さい!」
「なんで?!(笑)俺が教えるのに」
音は出ずに、だけど笑われた。
「………じゃあもう一回だけお願いします。
今度は気合入れてちゃんと聞きます!」
そう宣言する私に、今度は声を出して笑われた。
「ハーイ。ではお嬢さん?よろしいでしょうか?
まずは………」
黒尾先生のネクタイ講座
ちゃんと聞いたら思い出した。
当たり前か。
「じゃあ、気を取り直してもう一度頑張ります!」
黒尾さんのネクタイを結ぶのは、鏡になって難しかったけど。
でもとりあえず?
なんとか結べた。
だけど
「うーーーん。
ネクタイ上手に結べるように、これからも練習させてもらってもいいですか?」
「もちろん」
「精進します」
「期待してますヨ。奥サン?」
これまたサラッと言われたけど
奥さんって言われて。
思わず誰の?って聞いちゃいそうになったけど。
まだ、我慢した。