第24章 カレシとカノジョ

狭い道を押し広げるように慎重に慎重に指を動かしていく。
小刻みに前後に動かすと、　くぷ、くぷ、とグレイスの中の肉が動き、じわり、とより一層の愛液を溢してきた。

その頃になると、オレと口付けている余裕がなくなってきたグレイスがグッと白い喉を反らし、「あ、あ…！」と声を上げ始めた。

「大丈夫かグレイス。苦しくはないか？」

「はぁ、あ…！　ん…くるし、くはない…、けど、ぁっ…ん、…おなか、なかがぞくぞくってする、ぅ」

「そうか…それは、オレの愛撫にグレイスの身体が感じてくれているんだ。
力を抜いて、この感覚に集中してみてくれ。きっと気持ち良くなれる」

「きもち、く…？」

「あぁ、そうだ。グレイスはオレにハグをされたり、背中を撫でられたりするのを気持ち良いと言うだろう？　これはそれの延長線上にあるものだ。
初めての感覚に戸惑うかもしれないが、何も怖がる必要はない」

もっと初めての気持ち良い、という感覚を味わってほしくて、最初より膣内がいくらか解れたのを確認して、徐々に中指の出し入れする速度とストロークを長くしてやると、背を弓なりにして「あ、あぁぁぁっ！？」とグレイスの喘ぎ声のボルテージが一気に上がった。

「声を出すと力が抜けるからな。いい子だ」

グレイスの胎内から、オレの指の動きに合わせてでちゅっぽちゅっぽと空気と愛液が混ざる淫猥な音が耳に響く。目線を下げれば、グレイスの膣口にオレの中指…オレの身体の一部が呑み込まれ受け入れられている光景に興奮を焚き付けられてオレまで　は、は、と息が上がってきた。

半ば訳もわからずオレの首に両手を巻き付け、無意識に快感を逃そうと身体を捩じるグレイスの頭を撫でてやる。
女性の一番大切なところにオレの指を付き入れられ額にうっすら汗を浮かべて喘ぎ声を上げる彼女を目の前にしながら、幼い子どもに対するように『いい子だ』と頭を撫でるこのシチュエーションがどうにもアンバランスで妙な征服感が胸に広がってゆく。