第2章 安定…というものがない。
二人乗りをしはじめて約30分。
予定より10分早く烏野についた私たちは、校門前で降りてカラカラと自転車を引けながら歩く。
これ以上二人乗りしたら校門前でたってる先生に二人乗りしてることがばれてしまう…。
(といっても、翔陽と同じ地区なのに私だけ自転車持ってなかったらばれるてしょうけど。)
どのみちばれるのは変わりないのだか、直接見られたいのであればとがめられることはないと……思う。
(そう願いたいわね…)
ふう…と軽く吐く息はもうあまり温かくないみたいで、白くはならなかった。
(春がまた、今年も来たのね)
周りに咲く桜の木々を見つめながら思った。
(あら、鼻がむずむずするわ。花粉症?)